走っても食欲はおさまらない
「有酸素運動をすると食欲が抑えられてダイエットに効果的」なんて話を聞いたことはありませんか?確かにメチャクチャ激しい運動をした後には何も食べたくなくなり、むしろ吐き気をもよおしたりする人もいます。
息がゼェハァ上がるような極端な運動は別として、ランニングのような有酸素運動では本当に食欲が抑えられるのでしょうか。少し息が上がるようなランニングをしてもらい、その後に食欲に関係するホルモンの値と、自身の主観的な食欲を調べた研究があります。
15分から45分の有酸素運動をしてもらい、その後に自由に食事をしてもらいました。運動時間が長くなるにつれて、食欲を増進させるグレリンというホルモンの分泌量は減りました。
しかし、肝心の主観的な食欲や摂取カロリーは運動時間に関係ありませんでした。残念なことに、有酸素運動をしたグループと、運動をしていないグループで比較しても差がみられませんでした。
この実験では有酸素運動をしたからといって、食欲が抑えられるわけではないことが分かりました。体内で分泌されるグレリンの量を減らせても、実際に食欲を十分抑制できるほどの効果はありませんでした。
ランニングをしても大したカロリーは消費できないのに加えて食欲も抑えられないので、ダイエット目的で走るというのは向いていないです。まずは食事制限をしっかりして、全体的な摂取カロリーを減らすことから始めてみてください。
参考文献
https://joe.bioscientifica.com/view/journals/joe/235/3/JOE-16-0570.xml