プロテインレバレッジ解体新書

食べ過ぎを抑える「プロテインレバレッジ」について解説しています

ジャンクフードの食感が食べ過ぎを招く

ポテトチップスなどのスナック菓子はパリッとした食感がたまりませんよね。美味しいのはもちろんですが、この食感がまた食欲をそそります。でも、スナック菓子の食感は人間の脳を麻痺させてしまうほど恐ろしいものだったというお話があります。

 

超加工食品の中には、中毒症状を起こしてしまうほど危険なものも存在します。肥満や過食の人の25%がこの食品中毒に陥っている可能性があり、パリッとした食感を求めてジャンクフードを食べ過ぎてしまうといった報告がされています。

 

ジャンクフードを食べ過ぎすぎていないかを検査する指数に、エール食品中毒スケールというものがあります。肥満の方の4分の1はこの指標に引っかかっており、お腹を満たすためではなく、脳を満足させるために食べ過ぎてしまう傾向がみられました。

 

口当たりの良いジャンクフードを食べると、脳内では報酬系というところが刺激されます。この報酬系が刺激されると、脳に強い快感を与えます。薬物やアルコールなどの中毒症状を引き起こす原因にもなっているほど、強い快楽を与えてくれます。

 

ジャンクフードの食べ過ぎはカロリーを過剰に摂取することになり、肥満の直接的な原因になってしまいます。薬物やアルコールなどの中毒症状をイメージしてもらえれば分かる通り、自分の意思で食べる量を減らそうとしてもなかなか難しいです

 

食品メーカーは商品が売れれば問題ないので、口当たりの良い食感に対して研究を重ねており、私たちはその餌食になっています。お菓子が止められないのは、自分の意思が弱いからではありません。

 

超加工食品の食べる量を減らそうとするなら、報酬系への刺激を抑えることが重要になってきます。そのためには、良質なタンパク質をしっかり摂取すると効果的です。

 

参考文献

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0301051116303763

高タンパク質な食事は睡眠時の代謝を上げる

ダイエットは空腹を我慢したり、つらい運動をしたりと苦しいものですよね。ですが、タンパク質をいっぱい食べれば、ダイエットをより楽にできてしまいます

 

タンパク質の多い食事は食欲を抑えるだけでなく、筋肉量の維持やエネルギーの消費を促進する働きもあります。健康的に痩せようと思うなら、タンパク質は多めに摂取するのが有効です。

 

今回は、タンパク質とエネルギー消費の関係性についての研究を紹介します。高タンパク質な食事と低タンパク質な食事で、代謝がどれだけ変化するかを調べています。

 

筋肉や内臓、体温調節などで消費するカロリーは、1日で消費するカロリーの60~65%と言われています。体重を管理する上で代謝を高く保つことは、非常に重要になってきます

 

高タンパク質な食事は低タンパク質な食事に比べて睡眠時の代謝が高く保たれており、1日のトータルのエネルギー消費量が多くなっていました。また、1日のカロリー収支を比較してみるとタンパク質の摂取量が多くなるにつれて、消費カロリーが摂取カロリーを上回る傾向が高くなることが分かりました。

 

高タンパク質な食事をするだけで、眠っているときのカロリー消費量が増えるのはうれしい限りですね。お肉や魚を積極的に食べて、お腹を満たしてよく眠るだけでもエネルギーを多く消費してくれるなら、高タンパク質食というのは究極の怠けダイエットかもしれません。

 

参考文献

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fendo.2018.00443/full

ジャンクフードの欲求はタンパク質で抑える

ピザやハンバーガー、スナック菓子にスイーツなどのいわゆるジャンクフートは美味しいですよね。今ではコンビニやファストフード店などが24時間営業で、いつでも手軽にジャンクフートが手に入ります。

 

海外ではジャンクフードのことを超加工食品なんて呼ばれています。この美味しい超加工食品は、食事から得るカロリーの内50%以上にもなると言われています。簡単に食せて便利な超加工食品ですが、どうしても高カロリーで栄養バランスに偏りがでてしまいます。

 

脂質や炭水化物が豊富に含まれるのに対して、タンパク質はほとんど含まれないことが多いです。日常的に超加工食品を食べていると、自然と高カロリーで低タンパク質な食事になってしまいます。

 

高カロリーで低タンパク質な食事は肥満の原因になってしまうので、いかにジャンクな食べ物を減らすかは肥満対策としては大事な要因になります。そこで、超加工食品の摂取量を減らすには、タンパク質の摂取量を高めればいいのではないかという研究を紹介します。

 

アメリカ人の超加工食品の摂取量とタンパク質の摂取量の関係性を調べた結果、食事に含まれるタンパク質の量が多いほど、超加工食品を食べる量が減っていました。また、超加工食品を多く食べる人はより多くのカロリーを摂取していましたが、タンパク質の摂取量自体は増えていませんでした。

 

つまりは、必要量のタンパク質を求めて、低タンパク質で高カロリーな食品を過剰に食べてしまうのです。

 

調理が面倒な人でもプロテインやサラダチキンを活用すれば、簡単にタンパク質を補給できます。ジャンクフードを食べ過ぎて太ってしまった人は、ダイエットの入り口としてタンパク質を多めに摂取するのがいいかもしれませんね。

 

参考文献

https://www.cambridge.org/core/journals/public-health-nutrition/article/ultraprocessed-foods-protein-leverage-and-energy-intake-in-the-usa/6CF9634EFA3B0D771E8EFBF58C74583F

有酸素運動を計画していると食事量が増える

痩せたいと思ってカロリー制限をしている人は、1日の中で何を食べるのかはある程度決めていると思います。そうでない人でも今日食べる物というのは、事前に予想しながら過ごしているのではないでしょうか。

 

いざご飯を食べる時間になってから、今日は何食べようかと考え始める人は少ないでしょう。多くの人は食事の時間までに、あらかじめ何をどれだけ食べるかを計画しているはずです。

 

ですが、この食事の計画は有酸素運動をすると崩れてしまいます。昼食後に有酸素運動するとあらかじめ告知されたグループと、運動をしないグループで昼食の量を比較しました。

 

そうすると、有酸素運動をしなければいけないグループは、そうでないグループに比べて24%も多くのカロリーを摂取していました

 

事前にエネルギーを消費することが分かっているので、その分を補填するかのようにカロリーを多めにとってしまっていました。この研究では有酸素運動をすると決めている場合、その前の食事では余計なカロリーをとってしまうことが分かりました。

 

体重を落としたい、痩せたいと思って運動している人は、運動前の食事には注意が必要ですね。せっかく運動でカロリーを消費するのに、それまでに予定していた消費カロリー粉を余計に食べてしまっては意味がありません。

 

カロリー消費が目的で有酸素運動をしようとするのは、なかなか難しいですね。

 

参考文献

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0195666317319025?via%3Dihub

運動すると食欲は暴走する

健康のためや、ダイエットのために運動している人は多いと思います。でもその運動が原因で過食になっているかもしれません。運動した後に無性に何か食べたくなることってありませんか。

 

痩せるためや体型維持のために運動しているのが、かえって逆効果になってしまうという研究を紹介します。運動といってもスローペースなウォーキングや少し息が上がるくらいのランニング、マシンで体を鍛える筋トレなどいろんな種類があります。

 

運動後に甘いものが食べたくなる欲望は、男性と比べて明らかに女性の方が高くなります。性別を問わず、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動では食欲を抑えることができません

 

しかし、男性の場合のみ筋トレをすることで甘いものへの欲求を抑えることができます。女性は残念なことに筋トレをしても変化がみられません。ちなみに、筋トレを含むすべての運動をした後は、運動していない人よりも食べ物に対する欲求が高くなってしまいます。

 

運動をすることでエネルギーを消費すので、その分のカロリーを補填しようとして食欲がわいてきてしまします。特に女性はどんな種類の運動をしても、甘いものを食べたくなってしまうので、我慢するのに大変な苦労をすることになります。

 

頑張って運動しても、食べてしまっては意味がありません。運動して痩せようと思っている人は、相当な覚悟が必要ですね。

 

参考文献

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0195666317306724?via%3Dihub

運動後の食欲を抑える方法

運動した後って甘いものが無性に食べたくなることってありませんか?頑張って体を動かしたから少しぐらい食べても大丈夫と思っていると、ダイエットのために運動していても全然痩せません。

 

運動後は体内のエネルギーが減ってしまうので、それを補おうと糖質の多く含まれる甘いお菓子やスイーツを食べたくなるのは仕方がないことです。でも、体重を減らそうとして体を動かしているなら、食べない方がダイエットは進みますよね。

 

また、甘いものだけではなく運動後にラーメンや丼物など炭水化物をガッツリ食べたくなる人も多いと思います。せっかくカロリーを消費したのに、それ以上に食べてしまっては頑張った意味がなくなります。

 

運動後に無性に食べたくなるという人は、プロテインを飲むと食欲が抑えられることが分かりました。運動してすぐにプロテインを飲んだグループは、炭水化物を摂取したグループと比較して、その後の食事量が減ったという研究があります。

 

また、プロテインを飲んだグループの方が食べるスピードが遅くなっていることも分かりました。ゆっくる食べることで満腹中枢が刺激されて、食べる量が減った可能性が考えられます。

 

この研究の面白いところは、プロテインを飲んだグループも炭水化物を摂取したグループも、食事をする前の自分で感じる食欲に関しては差がなかったことです。自分ではあまり感じていないのですが、本能的には食べ過ぎを防いでくれていたのです。

 

この実験のプロテインの摂取目安は、体重1kg当たり0.3gとしています。体重が70kgの方なら21gぐらいなので、普通にプロテイン1杯飲めば十分な量です。食事はプロテインを飲んでから1時間後にとっていました。

 

プロテインの食欲抑制効果は摂取後30分から2時間までは継続できるので、この範囲内で食事をするのが効果的です。運動後に食べ過ぎてしまう人や、甘いものが食べたくなってしまう人は、運動後にプロテインを試すといいかもしれませんね。

 

参考文献

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00394-016-1344-4

走っても食欲はおさまらない

有酸素運動をすると食欲が抑えられてダイエットに効果的」なんて話を聞いたことはありませんか?確かにメチャクチャ激しい運動をした後には何も食べたくなくなり、むしろ吐き気をもよおしたりする人もいます。

 

息がゼェハァ上がるような極端な運動は別として、ランニングのような有酸素運動では本当に食欲が抑えられるのでしょうか。少し息が上がるようなランニングをしてもらい、その後に食欲に関係するホルモンの値と、自身の主観的な食欲を調べた研究があります。

 

15分から45分の有酸素運動をしてもらい、その後に自由に食事をしてもらいました。運動時間が長くなるにつれて、食欲を増進させるグレリンというホルモンの分泌量は減りました

 

しかし、肝心の主観的な食欲や摂取カロリーは運動時間に関係ありませんでした。残念なことに、有酸素運動をしたグループと、運動をしていないグループで比較しても差がみられませんでした。

 

この実験では有酸素運動をしたからといって、食欲が抑えられるわけではないことが分かりました。体内で分泌されるグレリンの量を減らせても、実際に食欲を十分抑制できるほどの効果はありませんでした。

 

ランニングをしても大したカロリーは消費できないのに加えて食欲も抑えられないので、ダイエット目的で走るというのは向いていないです。まずは食事制限をしっかりして、全体的な摂取カロリーを減らすことから始めてみてください。

 

参考文献

https://joe.bioscientifica.com/view/journals/joe/235/3/JOE-16-0570.xml